【クラウドソーシングの葛藤】私が「それは書きません」と言う書き仕事
2017/11/01
目次
この葛藤を私のエゴだとは思わない
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どうも、開始から4年目を迎えたライターです。※ライター仕事用Twitterアカウントはコチラです。
私がライターをやり始めたのは今から約3年前。最初は「ランサーズ」というクラウドソーシングサイトを通して始めました。
当時クラウドソーシングというと、まだまだ新しい働き方で、物珍しさが否めなかったと思います。私自身も「そんなので稼げるの?」、「騙されたりしないの?」と思っていました。
それからもう3年が経過しました。これまで色々なお仕事を担当してきましたが、私自身はもちろんクラウドソーシングも紆余曲折あったと思っています。今回はそんな「クラウドソーシング業界」と「書く仕事」のお話をさせてください。※私がやってきたお仕事については、【仕事依頼】私が『ライター』として担当してきたお仕事早わかり表をご覧ください。
「何でも書きます」を経て、「○○は書きません」。そう思うようになった私の葛藤をお話します。
今回のお話、これを私のエゴだとは思いません。
成熟したクラウドソーシング業界
私がクラウドソーシングを始めた頃に比べると、クラウドソーシングの業界そのものはかなり成熟してきたと思います。その一例は下記になります。
- 流通するお仕事の多様化
- クラウドソーシングだけで生活している方の登場
- クラウドソーシングから次のステップに進む方の登場(本の出版、セミナーの開催など)
- クラウドソーシングサイトのシステム面の充実
- 世間のクラウドソーシングの認知度の向上(ノマド、副業の代表格としても有名に)
- 地方自治体とも組んで、雇用創出の機会を生んでいる
ざっと見ればこんな感じです。確実に進歩し、良くなってきていると思います。
ただ、成熟を迎えるということは新たな問題が発生、もしくはこれまで目を背けてきた問題に対応し、細かな部分をカバーしていかなくてはならないということも意味すると思います。
クラウドソーシングの懸念点と問題の発生
クラウドソーシングが成熟するにしたがって、進歩するということよりも、細かな部分にテコ入れをする時期が来ていると思います。
誰でも便利に使えるようになった今、クラウドソーシングはいくつかの問題を抱えています。下記はその一例になります。
- 利用者の増加により、競争が激化してきた
- ねずみ講や悪質なネットビジネス関連の怪しい業者が混じってきた
- 「WELQ問題」に端を発した信用の問題、デマや人を傷付ける仕事の増加(ゴシップ等)
これらは細かな部分というか、かなり大きい部分の問題だと思っています。特に3つ目の信用や倫理的な部分の問題は大きいと思います。
クラウドソーシングはライターをとても集めやすくなってきています。人も増えた分、競争は激しくなり、お仕事を獲得するのに皆さん必死です。
そういった状況下では、倫理的にやりたくない仕事にも応募しないといかなかったりすることもあると思うんです。後は単価的に激安だったり…。「その書き仕事どうなの?」っていう。
『職業に貴賎なし』とは言えど、「誰かをあからさまに傷付けるだけの書き仕事」を、私は肯定するつもりはありません。
「何でも書きます」の私が「それは書きません」と言う書き仕事
ライター仕事を始めてすぐ…、いえ、今でもそうなのですが、私は書き仕事に対して「何でも書きます」というスタンスをとり続けてきています。
それは金銭的な問題もありますが、とりあえずやってみて道が開けるお仕事というものがあるからです。専門領域がないわけではありません。
「お仕事をくださったクライアントさん、もしくはその書いた記事から別の素敵なお仕事も繋がることがある」ということですね。「まずはやってみる」という姿勢はどんな物事においても大事なスタンスだと思うんです。
そんな「何でも書きます」の私ですが、「それは書きません」と言う書き仕事があります。それが前項でも取り上げた「誰かをあからさまに傷付けるだけの書き仕事」です。
わかりやすく言うならば、週刊誌に掲載されているようなゴシップ系のお仕事でしょうか。誰かもよくわからない人間が、人のプライバシーに立ち入り、個人の問題を公にする…。こんなことがあって良いのでしょうか。
週刊誌に限らず、クラウドソーシングを通して請ける書き仕事のなかにも、「芸能人のゴシップや噂話を掲載しています」というブログやサイトでの書き仕事はたくさんあります。
そういったメディアでは、週刊誌よりもポップな口調ではあるものの、赤の他人についてあることないこと好き勝手に書いているようです。そういった情報の大半は、それこそ週刊誌やお昼の情報番組等の後追いだったりするんですが、はっきり言って私は気に食わない。
誰かもわからない人間が、他人様のことを好き勝手に書いて良いのか。何かを書くにしても、もう少し事実に沿った、あるいは非難ばかりするのではなく、考察めいた文章にできないのか。そう思っちゃうんです。
生活のために書いている?では、なぜあなたはライターを始めたのか
ゴシップ系の記事を書いている人のなかには、「生活のために書いている」という人もいらっしゃるでしょう。「何でも書きます」というスタンスをとっている私も、「生活のためにどんな文章でも書いてやる」という気概をかつては持っていました。生活のためなら、少々倫理的な配慮を欠いていても良い、そんなことが頭をよぎったことだってあります。
でも、踏みとどまった。なぜなら、「私は書くことが好きでライターを始めたから」です。
その好きという感情に嘘をついてはいけないなと思った。誰かを傷付けるだけの文章を書いていたら、きっと自分の文章が嫌いになってしまう。ひいては、ライターという仕事そのものが嫌いになってしまう。そう思うのです。だから何でも書くとは言っても、書かない分野が私にはあります。
冒頭でも書かせていただいたように、クラウドソーシングは認知度が高まり、誰でも簡単に始めることができるようになりました。新規でライターを始められる方も大勢いらっしゃいます。
とはいえ、それでもやらない人はいますし、すぐにやる人もいます。ライターをやる人の共通点としては、やはり少なからず「書くことが好きだから」なのではないでしょうか。
今皆さんが請けているお仕事。色々あると思うんです。そのお仕事が社会にどんな影響をもたらすのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。